新型コロナウィルスを恐れない心理

(1)第三波が来てしまいました

新型コロナウィルスの感染が拡大しています。東京都では、今日(11月29日)、新たに418人が新型コロナウイルスに感染したことが確認されました。  日曜日に400人を超えたのは初めてであり、感染拡大のピークが見えません。

 年代別では20代が110人、30代が70人、と、依然として若い人が多いですが、40代が80人、65歳以上が55人と、高年齢者層に広がっています。重症者の数はきのうから変わらず67人ですが、増加傾向が続いています。

東京都の重症者ベッド数は公式には最大150ですが、現実にはそれより少ない数しか対応できないと言われており、現場からの悲痛な叫びがSNSにあふれている様子から見ると、各病院は、医療崩壊の直前にあると言っても過言ではない状態です。


(2)第三波をもたらしたGOTO

東京だけではなく、日本全国でも感染者増加が止まりません。こうなったのは、明らかにGOTOトラベルやGOTOイートが原因です。

政府や専門家会議では、GOTOが感染拡大の原因となったエビデンスはない、と主張しています。果たしてそうでしょうか?

そうでないエビデンスも、ほかの考えられる原因も、どちらも存在しません。人の移動がコロ拡大の最大ファクターであり、移動が無ければ新規感染は起きません。直接的接触(飛沫感染など)と間接的接触(物への付着ウィルスを介した)の両方がありますが、「人と(物経由含めて)人」の接触以外の感染要因は、無視できるわずかな要因(物から物、ペット(笑))以外には、無いのです。


(3)人々の行動にお願いするだけのコロナ対策

このままでは、感染爆発により、医療崩壊するのではないか。さすがに、分科会の専門家たちから、「人々の自主的な行動に頼る時期は過ぎた」と声が上がりました。

しかし、菅総理が26日に出した声明は、この3週間が極めて重要な時期だとして、マスクの着用や手洗い、「3密」の回避といった基本的な感染防止対策を徹底するよう国民に協力を呼びかける、という「国民へのお願い」に過ぎないものでした。保健所支援や病床確保指示は出したようですが、感染拡大に対しては、まったくの「無対策」と言えるメッセージです。GOTOトラベルについては、大阪と札幌を目的地とする旅行だけではなく、出発地とする旅行も中止すると表明しましたが、東京については、今後どうするかも含め、まったく触れられませんでした。

東京都は、GOTOトラベルは、政府の責任と繰り返し主張しています。連日の新規感染500人超えに、ようやく、26日に飲食店に対する営業時間短縮の要請と40万円の補償対策を表明しましたが、これで感染減少に転じるものでしょうか?私は、悲観的に見ています。その理由を以下では少し書きたいと思います。


(4)「根拠の無い楽観主義」は「非科学的な心理」

「コロナは風邪」 「コロナウイルスは検出されていない」 「コロナ感染は陰謀」 という、とんでもない話が、若い人にけっこう流布しています。 騙されるのが不思議なくらい馬鹿な話ですが、 「現実を見たくない」 「不都合な真実を受け入れたくない」 という心理が根底にあるのでしょう。 

困ったものです。 この心理は、安倍政権や菅政権の支持者にも共通する心理だと、私は考えています。この心理は、現実や事実より、夢や願望を選んでしまうという心理なのです。ヒットラーに踊らされたドイツ国民も、共通する心理があったのではないでしょうか? 

感染対策をあまりせずに、密も気にせず行動し、「自分はコロナにかからない」「感染しても大したことない」と開き直るような人にも、共通します。 

「確率の低いことは自分には起きない」という「根拠の無い楽観主義」にも通じます。こうなってくると、若い人だけではなく、高齢者も含め、たくさんの人に当てはまります。 

この究極は、「日本モデル」とか「日本凄い」です(笑)

「PCR検査は精度が悪くて役に立たないから抑制すべき」 も、同じくらい愚かな話ですが、未だに騙されている人が多いです。 「クラスタ対策で十分」というニセ専門家の話を信じたいのでしょう。そのほうが、心地よいからです。

 PCR検査抑制は、PCRの大量検査を行なう力のない日本の現実から目を背けさせるために、厚労省や感染研が喧伝している嘘です。 国民にお金を使いたくないから、大量検査に保険適用をしたくないのでしょう。 こんな「検査抑制論」のような馬鹿なことを言っている先進国は、日本だけです。 日本は、先進国ではない、という証です。


(5)「withコロナ」の幻想

この「根拠の無い楽観主義」や「不都合な真実を受け入れたくない」のような心理が、「withコロナ」などいうバカげた概念を正当化しました。「withコロナ」なんて幻想だと私は思います。

飲食時の感染リスクが大きいことが分かってきました。飛沫感染の届く距離も、想定以上に長いようです。マスクをつけたりはずしたりしながら食べる、なんて不可能な生活様式です。このようなバカげた行動を強いるのがwithコロナ、というあり得ない幻想です。そして、「根拠の無い楽観主義」や「非科学的な心理」と合わさって、コロナとともに生活できる、という奇妙な心理が生まれたのです。尾身先生の「マスク外し自演」は、実はこのことを国民に自覚させる巧妙なお芝居だったのではないでしょうか?もしかしたら、専門家の意見を聞かない愚かな政府に対する精一杯の道化だったのかもしれません。。。

withコロナは、「経済復興をコロナ感染よりも優先させて考えた」から生まれた政策です。withコロナが可能であると考えられる根拠は、ありませんでした。クラスタ対策でコロナを撲滅できなかった(検索を抑制するのですから、当たり前です!)以上、withコロナしかありえなかったのです。

その結果、第三波が起こるべくして起こった、と私は思います。

「根拠の無い楽観主義」や「不都合な真実を受け入れたくない」→「だからwithコロナ]

第三波は、このような心理が生んだ結果でもあると、私は思うのです。


(6)「感染リスク」と「費用節約」の秤

緊急事態解除以降、人々の行動は若干は以前のように戻りましたが、多くの人、特に高齢者は、緊急事態とほとんど変わらぬ行動自粛を続けていました。

感染へとつながる行動は、科学的な思考に基づくものではありません。コロナの危険性を理解し、感染リスクを恐れる判断力、軽率な行動が社会に対して感染を広げるという想像力、そして、それからもたらされる自己抑制力があれば、外食や旅行など気軽にできるものでは、ありません。多くの人は自粛を続けています。

しかし、GOTOの開始により、外食や旅行に出かける人が増え、特に飲食のときの感染が増えていきました。緊急事態終了時でも、東京には感染者が新たに出続けていたため、無症状者も含め、感染の連鎖は脈々と続き、拡大のきっかけを待っていたのです。そして、感染は、職場や家庭へと拡大してしまいました。

感染リスクよりも、わずかな費用節約を優先する。おかしいと思いませんか?秤にかけて見ませんか? (感染確率)x(感染時にうしなうもの)と、(感染しない確率)x(費用節約で得るもの)のいわゆる期待値を比べてみる考え方もあるでしょう。しかし、コロナの後遺症はお金で解決できる問題ではありません。ましてや高齢者には高い死亡リスクがあるのです。そして、感染は周囲に多大な影響をもたらすのです。

仕事で止むを得ず、というのなら別ですが、娯楽での外食や旅行に出かけるという判断は、コロナ感染が収束していない状況では、私は合理的な判断ではあり得ないと思います。(注:若い人で、さらに、職場や家庭へ感染を持ち込むことを気にしないのなら、そういう判断はあり得ると思います。自分が感染してもよい、と考える人はそれなりに居るでしょう。)


それは、「自分はコロナにかからない」「感染しても大したことない」、あるいは「確率の低いことは自分には起きない」という「根拠の無い楽観主義」という「非科学的な心理」からのみ、もたらされる判断ではないでしょうか。


(7)「非科学的な心理」につけこむ悪魔の政策

GOTOイートやGOTOトラベルは、そのような心理につけこんだ悪魔の施策だったと言わざるを得ないのです。

「非科学的な心理」が社会に広がってしまった限り、第三波は、人々の行動変容に期待するだけでは、すみやかに感染減少に転じることは無いだろうと思います。緊急事態のときには無かった「マスクをしていれば大丈夫」「withコロナで気を付ければ大丈夫」という心理が広がってしまったことが、多くのスプレッダーを依然として行動継続させることでしょう。

感染させてならなかったのは、コロナだけではなく、それ以上に、「非科学的な心理」だったと思うのです。

森から世界を見る

著者:森のきょろん 企業研究所に従事したあと、現在は、数理工学を専門とする知財コンサルティング職務を行なっています。ふだんは海の近くに住み、ときどき森を彷徨して思考に没入します。

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